診療内容

家庭医療とは家庭医療とは

近年の日本では、医療の進歩が飛躍的に進み、それに伴って医療の分化が進んできました。心臓専門の医師ならば、心臓の分野をとことん極める、といった形です。
ひとつひとつの分野について、非常に深い研究が進んでおり日々更新されていますので、ひとりの医師が、ごくまれにみられるような珍しい病気も網羅してその臓器の検査や治療法を極めようとすれば、相当の年月を要します。
つまり、ひとりの医師がすべての臓器についてすべてを網羅し対処することはまず不可能です。

家庭医療とは

医療の分化と進歩により、助かる命や維持できる生活は確実に増えています。
しかしながら、医療が分化したことによる弊害もあります。それは、患者さんが自分で、自分に合った診療科を探し当てて受診しなければならないということです。

  • なんとなく体調が悪いんだけど、どこにかかればいいのだろう。
  • 頭が痛いんだけど、これは肩こりかな?目がつかれてるのかな?
    それとも鼻のかみすぎ?それとも脳に病気があったりして・・・

なんて経験はありませんか?
そんなときに、自分で選び受診した臓器に分化した専門医が、すぐに問題の原因をつきとめ解決してくれればよいのですが、実際にはそこでは解決せず、他の科にまわされたり、結局原因がわからず対症療法でしのいだ、というのもよく聞くお話です。

そんな時、臓器にかかわらず、身近によくある症状を広く心得た医師が対応したらどうでしょうか。
大きな病気が隠れていたとしても、その可能性を指摘して、「〇〇の可能性がありますから、詳しい専門検査を行ったほうがよいですよ。☐☐病院の△△科で詳しい検査ができますから紹介状を書きましょうか?」と言ったらどうでしょうか。
あなたの辛い症状や不安が早く軽くなるのではないでしょうか。

そんな包括的な医療を行うのが家庭医療です。
そして、家庭医療を学び、専門的な研修を経て認定を受けたのが家庭医療専門医です。

家庭医療とは
  1. 家庭医療専門医は、身近な病気のエキスパートです。
    家庭医は身近な症状や病気に対して、責任を持って患者さんにあわせた質の高い医療を提供します。
    たとえば、風邪の薬ひとつにしても、アレルギーの対応にしても、生活習慣病や慢性疾患に対しても、国内や米国などの最新のガイドラインに乗っ取り、根拠のある医療を患者さんにあわせて提供します。
    患者さんの多くの訴えに対応し、多角的なアプローチを行い、十分な説明を行います。
     
    家庭医療では、子供から大人まで年齢を問わず、その人の生涯にわたり継続的な診察が可能です。
    人ひとりの生涯の中では様々なライフステージがあります。
    生活の中にある身近な症状・病気には、精神心理面はもちろんのこと、患者さん自身やご家族のライフステージの変化や家庭環境が密接にかかわっていることも非常に多く、それらに配慮した全人的な診察を行います。
    また、治療の際には患者さんの主体性・自発性を尊重します。
  2. 予防活動を行います。
    予防接種や健康教室など、感染症や生活習慣病の予防の段階から積極的にかかわります。
  3. 適切な高度医療機関への橋渡しをします。
    緊急かつ重症度が高く、ある臓器に専門性が求められる医療を必要とされる場合は、速やかに適切な臓器別診療の専門家に紹介します。
  4. 介護福祉サービスと連携します。
    必要に応じ、訪問診療を行う他、訪問看護やリハビリ、介護などの導入の橋渡しをしたり、相互に連携して患者さんがより毎日を自分らしく過ごせるようお手伝いをさせていただきます。

[家庭医の理念]

  • 近隣性:立地的にも心の距離としても、皆様が気軽に訪れられる場所であり、
  • 包括性:臓器や年齢にとらわれずなんでも相談でき、
  • 継続性:予防や訪問診療等を通し、いつでもいつまでもかかっていただけます。
  • 協調性:高度医療・介護福祉や地域とも連携し、
  • 文脈性:あなたや家族の気持ちに寄り添った医療を提供します。